「首イボ」を治療する際、皮膚科や美容形成外科では「液体窒素」が使われるケースがあります。
液体窒素による治療は「首イボ」にとってとても効果的なのですが、専門の医師しか使用できない危険な物質を使っての治療なので不安になってしまう方も少なくありません。
今回は「液体窒素」を使った「首イボ」治療についてご紹介します。
「液体窒素をどうやって患部に使うの?」
「痛みを伴う?」
「治療費はどのくらい、そして保険は適用される?」
これらの疑問を紐解いていきましょう。
このページでわかること
改めておさらい!首イボとは?
そもそも「首イボ」とは何なのか?首からデコルテの部位に発生した黒褐色または赤みを帯びた1~2mm程のできもの、痛みこそ少ないものの衣類に引っかかったりと煩わしいものには間違いありません。首イボの正体は脂漏性疣贅という「しみ」と似た老人性いぼの一種で、「首イボ」そのものに害はありません。
主な原因は紫外線と皮膚の乾燥と加齢によるものですが、若い人も皮膚の状態によって発生する場合があります。
形状は大きく分けて2つ、褐色をした極めて小さいイボの「アクロコルドン」ととさかのように突起したイボの「スキンダック」です。どちらも良性のものなので人体にとって危険を及ぼすものではありません。
とはいえ美容的な視点から見れば、首・デコルテに出来た「首イボ」は厄介なものであることに変わりありません。
脂漏性疣贅の他に、ヒトからヒトへ感染するウイルス性の「尋常性疣贅」があります。こちらはウイルス性のものなので、医師への相談をおススメします。
尚、「首イボ」に痛みを伴ったり、急に多くのイボが発生した場合は悪性腫瘍の可能性があります。いつもとは明らかに異なる場合、迂闊に自分で判断せずに病院へ受診してください。
首イボの除去方法
「首イボ」の治療には、次のものが挙げられます。
ハサミやピンセットなどを使って切断除去する方法、炭酸ガスレーザーやルミナスレーザーなどを使用したレーザーでの除去、「ヨクイニン」などのイボ治療に効果のある成分を服薬する内服薬による除去、そして「液体窒素」を使用した除去方法です。
基本的に物理的に除去する場合は、数回にわけてイボを取る方法が多いです。皮膚に発生した「首イボ」を道具を使って除去するという行為に恐怖心を抱かずにはいられませんが、以外に内容や体験談を見ると想像するような痛みを伴うことは少ないです。
自宅治療は最もコストがかからないのですが、傷になってしまう危険を考えるとその後のケアも大変なので、首イボの除去はなるべく専門医へ相談することをおススメします。
液体窒素を使った治療
「首イボ」治療に多く使用される「液体窒素」を使った除去は、昔からイボの除去には必ず使用される治療方法です。
「液体窒素」を使った治療は皮膚科学では「凍結療法」と言われます。液体窒素などを使って超低温で皮膚を凍結させると、細胞の低体温感受性や凍結条件に応じて組織が壊死する部分と正常でいる部分に分けられます。
この原理を腫瘍や疣贅などの異常を起こした患部におこなうことを「凍結療法」といいます。
簡単に言うと、液体窒素を使って「首イボ」や「腫瘍」などを壊死させて切除する治療法です。
液体窒素による治療法
液体窒素を使った治療法にはいくつかの種類があります。中には眼や口腔内といった敏感な部位、または悪性腫瘍・ガンなどを除去するためのものがありますが今回はその中でも「首イボ」治療に用いられる方法をご紹介します。
綿球法
綿棒の先に液体窒素を含ませて取り除きたい部分になどにあてる方法です。主に首イボなどの疣贅、肉芽腫の治療に使用されます。
cryoforceps法
先端を液体窒素で十分に冷却した小型の銅製ピンセットで、疣贅などの病巣を摘まんで取り除く方法です。主に小さな疣贅や血管拡張性肉芽腫を除去する場合に使用されます。
広範囲にある病巣や細胞の深い部分にある所には、スプレーや銅ディスクなどが用いられますが、「首イボ」の様に小さなイボを物理的に取り除く手法は、ピンセットや綿棒がとてもポピュラーです。
液体窒素治療のメリット・デメリット
医師の監修の元おこなわれる液体窒素を使った凍結療法には様々なメリットとデメリットが存在します。
「首イボ」除去に非常に適しているのですが、摂氏マイナス190℃という物質を使うので全てが利点ではありません。治療の前に知っておくべき液体窒素治療法によるメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
治療時間がとても短い
「首イボ」治療における冷凍凝固法で必要な道具は、決して特別なものでは無いので大抵どこの病院でも行ってくれます。
更に治療時間も短くすぐに取り除いてもらうことができます。
治療費が安く保険も利く治療
シミや色素沈着など、美容目的の治療となると大抵の場合医療保険が利かないことが多いです。
ところが嬉しい事に、液体窒素の凍結治療は保険が利くので治療費を安くすることが可能です。治療費は大きなイボなら大体400~500円と液体窒素による除去は比較的価格的にお手頃です。
デメリット
痛みを伴う
先ほども述べたように、マイナス190℃という物質を使うだけあって痛みを伴うのがこの治療法の大きなデメリットです。
「首イボ」を低温火傷させて除去する過程で多少の痛みが発生します。
傷痕が残りやすい
凍結療法によって壊死させた部分に傷痕が残ることがあります。この問題に関しては、日ごろのスキンケアによって解消することができます。
ターンオーバーを促すことによって傷ついた角質が代謝されて傷を消すことが可能です。
治療期間はどれくらい?
液体窒素治療で辛いのは、痛みに加えて治療期間が長い事です。まず一回で治療が終わることがなく、数ヶ月治療に通わなければならないのが辛いところです。
少しでも治療期間を短縮するために、バランスのとれた食事などで自己再生力を高めながら「ヨクイニン」などのイボ治療に効果的なものを使ってイボを根底から改善していくことが大切です。
液体窒素治療は再発しやすい?
液体窒素での凍結療法は「首イボ」が再発しやすいといわれています。実はこれは液体窒素だけに限ったことではありません。
「首イボ」だけに関わらず、切除によるイボ治療は角質を除去するだけにすぎないので、根本的なイボの問題が解決されていません。
治療が済んだからといって日ごろのスキンケアを怠ってしまうと再発してしまう可能性が高くなってしまいます。
先ずは相談、「首イボ」は早めの治療を!
「首イボ」において液体窒素を使った凍結治療は、とても速くそして安く「首イボ」を除去することが出来ます。
保険が利く唯一の治療法であるところは大変意外でしたが、具体的な治療法を見てみるとその中身はとても簡潔で分かりやすく単純なものです。
それ故に除去した後の「これで除去することができた」という油断が再発させてしまう危険があります。
固まっていた「アクロコルドン」など「首イボ」を除去することはできても、イボの根本的なところを除去することが出来ていないのです。
「首イボ」を取り除くためには、液体窒素による凍結療法を行って疣贅を取り除き、日々の生活の中でターンオーバーの正常化などのスキンケアを行ってスキンコンディションを併用する治療が最も適している治療法です。
まずは発生してしまったイボを取り除く治療の手段として、簡単で早く安く除去することが可能な「液体窒素」による治療をおススメします。